AI(人工知能)共存時代を生き抜く人材育成のあり方とは
進路指導に関わる高校教員の皆さまへ「2020年以降の人材育成」というテーマで、基調講演をさせて頂きました。
少子化・多様化する価値観・成果主義・グローバル社会・ロボット・AI(人工知能)の社会進出、、、いまだかつて誰も経験したことのない変化の激しい時代での人材育成は、容易ではありません。
まず、変化の時代を生きていることを自覚すること、そして変化に対応するために、自ら見て・考えて・動くことが重要です。
例えば、海に浮かぶ船を思い浮かべてみてください。
- 船が会社
- 船員が社員
- 海が時代です
風もなく安定した海(時代)であれば船(会社)の揺れは少なく安定していますが、今は全く違います。
天気がいい日もあれば、急に雨になったり強風が吹いたり、気を抜けばアッという間に転覆してしまう時代。船は右に左にバサバサ揺れています。
そんな状況で船員が誰かの指示を待ち続けて動かないでいると、揺れの激しい船で船酔いしてしまうのです。
もちろん大きい船より小さい船のほうが揺れは激しいですが、大きい船でも業績悪化や外圧などから、ある機能(事業部)ごと売却・清算されたり、海外の船員がやってきて指揮系統がガラリと変わることもあります。
今は、高度経済成長時代の学歴社会ように成功の方程式がありません。いい大学に進学すれば、企業が成長し続け、年功序列の終身雇用で、老後まで安定が保証される時代は終わりました。
船が揺れている以上、自分自身も動いたほうが結果的に安定します。だから空振りを恐れずにどんどん動いたほうがいい。まずこうした時代を生きているということを知ることが第一、その上でどこを目指して何をするか。
先行きが不透明な時代の進路指導は本当に難しい。とはいえ何もしなければ学生は選択肢がありすぎて迷い、思考停止になる学生も多く見られます。
学生から主体的な動きを引き出すには、こうした現代社会の状況をありありと考えさせる事が土台となり、本気で自分の将来を考えるところがスタートラインになります。
が、しかし。こうした意識改革系の講話は生徒に届きづらい、といった悩みをよくお伺いします。
- 『私達(先生)の話は、授業で慣れてしまっていて刺さらないんです』
- 『ネットの情報で達観してしまうんです』
そんな時は、外部講師の利用(ボイスチェンジ)がオススメです。たとえ先生と同じメッセージであっても、普段学校には居ないプロ講師が、「熱量・エネルギー」に乗せて生徒に届けることができます。
講師がやる気スイッチを押し、本気になった学生を学校がサポートしていくようなイメージです。
価値観が多様化する中で、進路指導に絶対の正解はありません。だからこそ進路に関わる大人が強みを補い合いながら、若者の進路選択をよりよい方向へ導いていくことで、生徒の人生がよりよいものとなると思います。